古いリングからのリフォーム / リフォームジュエリー

ジュエリーのリフォームは、お店をオープンしてこれが最初の依頼でした。


持ち込まれたのは、石を留める爪が1本とれた状態のリングと外れたカボションの石。

当初は爪を付け直してほしいと御来店されました。

古いリングによくある、石座に細かい透かしが入って、小さいパーツがロー付け(溶接)されているデザインです。


その、ロー付けされた部分が全て分かるほど経年変化で黒くなっていたのです。

爪を付け直して元に戻すことも可能ではあったのですが、全体的に劣化していることもお伝えして、直すリスクも説明した後にリフォームのご提案もさせていただきました。

お客様はリフォームの話に興味を持ったみたいですが、やはり価格のことが気になって躊躇していました。

金(ゴールド)の高騰が良くもあり悪くもありという感じですが、加工代は別として金の地金だけで考えるとそれは資産であり、ある意味お金です。

そして、新しいリングでこれからまた何年も使用されれば、愛着も湧き、加工代分くらいきっと元はとれるでしょう。


そういうお話をしていくうちに、生まれ変わるであろう石と共に、じゃあお願いしますと仰っていただきました。

古いリングは買取り可能なので、その分お安くできることもお伝えすると微笑んでくれました。

こういうやりとりをしてリフォームの依頼を受けたので、絶対に喜んでいただけるものをつくろう!と、取り掛かりました。

そう、ラブレターを書くように。

シンプルなデザインなのでCADでのデータ作成も比較的簡単です。


ただ、お客様の大事な石です。


石の形や縦横の寸法をしっかり測り、オートクチュールのようにぴったりに合わせなければなりません。

3Dプリントされた樹脂原型は、データ作成したものよりもコンマ何ミリかの誤差がでます。

また、実際に金属になれば削ったり磨いたりして、金属は少しずつ減っていきます。


そこまで計算した上で、データ作成や寸法を決めて作業をしています。


これらはカスタムジュエリー(オーダーメイドジュエリー)にも同じことが言えます。


そこの部分はお客様には伝える必要はないですが、良いものをつくろうとした時には自然とそういう部分まで考えます。


結果、納品する時のお客様は満面の笑みでした。


私が思うに、お客様が指にはめていたハイブランドのリングにも負けない存在感を放っていました。


ラブレターを書くように、お客様のことを思いながらつくったからかもしれませんね。



0コメント

  • 1000 / 1000